「そもそも総研」の自己責任特集を見て

思ったのだけど、改めて「自己責任」が巻き起こるのは、中東に大部分の日本人が何の利害も関心もないからじゃないですかね。

番組ではフランスを挙げて、シリアで同じように拘束されたジャーナリストが解放されてフランスに戻ったとき、オランド大統領(当時)まで空港に出迎えた、と日本と比較してたけど、フランスはシリアに強い利害関係があるから。

シリアは元々フランスの植民地だったし、だいたいヨーロッパっていうのは、中東に昔から関わってきてますよね。地理的にも隣の地域だし、歴史的にも十字軍とかもっとさかのぼればローマ時代から何かと関りがある。キリスト教が中東発祥というのも大きいだろうし、経済的にもいろいろ利害がありますよね。

だから北朝鮮の非核化?なんかよりイランの核問題の方が断然関心が高いはずで、逆にフランスとかドイツとかから見れば、朝鮮半島の非核化だの日本の拉致被害者だのほとんど何の関心もないはずですよ。オーストリアなんかだと「日本て、どこ?」といまだに言われる始末だし。

反対に日本とかまあ東アジアの国民からすれば、中東なんてせいぜいエジプトが観光地として興味を集めるだけ。石油がサウジにかなり依存してるけど、それすら知らない人が多くて、一般人にとってはどーでもいい地域やもんな。

そこでさあ、サンデーモーニングで隔週で怒り狂ってる寺島実郎さんが「私たちは中東に依存してるのだから、もっと関心を持つべき」とか言ってもですよ、やっぱり関心持たない。なぜかというと、サウジさえ安定してればいいわけで、サウジが鎖国とか斬首刑とか女性差別とかやってても、日本での日々の生活には困らないわけですよ。

そこんとこがねえ~安田純平氏ももう一つ歯切れが悪いというか、「私たちの伝え方が悪いと思います」とか言ってるとこが、弱いなあと思いましたね。

シリアで女子供が戦争に巻き込まれてひどい目にあってても、そういうのをたまに聞いたりすると可哀そうだなあ、なんとかしたらな、ぐらいは思う。でもそれで終わりですよね。そこまでパワーがないから。

昔に比べると、日本が老化してるというのは確かにあると思う。番組でも指摘していたけれど、バブル時代のときなんかはもっと世界に目が向いていたし。裏返せば「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なんて言われていい気になって、本気で日本が世界の覇者みたいに信じ込んでいたから。

それが視聴者も退職した団塊世代の爺ちゃん婆ちゃんか低IQの女子ばかりになって、見たこともない遠い世界のことなんか想像するだけでもしんどくなってしまったんですね。500メートル離れた病院に毎週薬をもらいに行くだけでもしんどいのに、なんでシリアとかいう国の難民キャンプのことなんか知ってなあかんのですか?というわけですよ。

これがシリアじゃなくて、北朝鮮で拘束されたジャーナリストだったらどうなるか。そりゃ「英雄」でしょう。

例えばですよ、日本人のジャーナリストが北朝鮮に潜入して日本人拉致被害者の行方を尋ねまわっている最中に邪悪な北朝鮮国家警察に拘束されて、3年ぐらい地獄のような収容所に入れられたとしたら、どうなるか。

日本は官民挙げて「○○さん(ジャーナリストの名前)を返せ!」の大コールでしょう。目立ちたがりの安倍も当然出てきて「断固として、即時返還を要求します」などと大見栄張って、マスコミも(拘束されて1か月ぐらいは)連日こればっか。「○○さん救出運動」にツイッターでいいね!が二日で5万件とか、まあ、そんな大騒ぎが目に見えるようですね。

そこで「勝手に北朝鮮行って捕まったんだろ。外務省が渡航するなって言ってんじゃん。金正恩さっさとそいつ死刑にしちまえよ」なんて言ってごらんなさいよ、ネットでは一部賛同する声もあるかもしれないが(私なんかもそうですが)、たちまち非国民呼ばわりされるでしょう。少なくとも公の場でこんなこと言ったら殺されますよね。

まあ、そんなんでも、半年も過ぎれば一般国民の脳裏から北朝鮮に消えた英雄的ジャーナリストのことなど消え去るだろう。拉致被害者さえ普段はみんな忘れてるもんね。

トランプと金正恩の会談でちょこっと拉致被害者家族も話題に上ったけど、会談が物別れに終わると拉致問題もそれっきり。「物別れでよかった~」と公言する御用知識人たちには、拉致問題なんか本音ではこれまたどーでもいいことなんですよね。

拉致問題ですらこれやもん。ましてシリアなんて。どうしてここのことを知らなきゃいけないのか。で、自己責任なんでしょう。

安田氏はなんで中東に関心があるんですかね。中東だろうがアフリカだろうが、同じ人間が苦しんでいる、それを見過ごせない、知ってほしい、ということか。

それはある意味ジャーナリスト魂というものだろうけど、人間の関心の持ち方というのは個々の利害に影響されるものだ。マンハイムでも読んでいたらそのことぐらいわかるだろう。一橋大の社会学部を卒業した安田氏がそんなことにも気づかないわけがない。

彼はそれにあえて挑戦しているのかもしれないが、壁は厚いでしょう。まあでも私は、自己責任論で彼をたたこうと思うほど暇じゃないですけどね。

自己責任論てのも、もう古いという気もしたけど。「まだそれやってんの?」という感じ。これすらどーでもいいですね。

あとこれもどーでもいいけど、ウーマン村本、最近調子乗ってんじゃない? 教祖気取りが鼻につく。それで訳も分からずいきり立ってるだけの羽鳥も、相変わらずの低レベルだと思いましたけど。

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